母は箱入り娘【12】
明夫兄さんは良く海へ魚釣りに行き、始めの内は珍しい事もあって姉とくっついて歩いていたが、私はだんだん嫌いになり、少しずつ離れていった。
とにかく脇が臭かったし、痔で夏休みに新潟大学病院で手術をしたり、蓄膿症で河原田の至誠堂耳鼻咽喉科で手術と、あらゆる病気持参で来たので、貧乏世帯には負担が多く、毎月母は、゛主婦の友″と家庭雑誌は取るのを止め、針仕事に精を出しながらブツブツ文句を言っていた。
それに中学校の学費、下宿代と急に出費が増えた為に私達の着る物は英子さんのお下がりと、新潟へ行った時におじいさんに買って貰ったもので、父の収入からはそこまでまかなえなかった様だ。
つづく
つぎは 母のお嬢様振りです。
2018年7月12日 (木)
カテゴリー: こばやし明美先生ブログ