我が家の軌跡(奇跡)【16】
家庭療養に入るまでの間に父は、少しでも痛みが軽くなればと、4回も脊椎の神経ブロックをうけ、最後これ以上切断すると呼吸が出来なくなるギリギリの胸椎の神経ブロックを受けた。
しかし、幻覚痛である。
ほとんど無駄だった。これで横隔膜より下が完全麻痺となり車イスにも乗れなくなった。
横隔膜も少し麻痺しているのか、父はくしゃみが不完全で、中途半端でかわいそうだった。
鼻をかむことも出来ず、痰として口から出していた。
父は右腎臓摘出、腎盂炎、膀胱炎の熱発を繰り返す中、自ら命を絶つ事を考えたそうだ。
しかし、生まれながらにして重度の脳性小児麻痺という障害を持った次女を不憫に思い、母を思い、そして明美の将来を気遣い、“お父さんの目の黒いうちは生活費の保障をしてくれるから死ねない!”と思い止まったそうだ。
【つづく】 つぎは妹の事について話します
2018年5月16日 (水)
カテゴリー: こばやし明美先生ブログ