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母は箱入り娘【13】

2018年7月13日 (金)

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姉は六年生卒業と同時に植田屋で生活する様になった。沼垂の高等科に通い、家庭教師について勉強をみっちりやり、私立女学校へ入学。
植田屋を手伝い乍、学校に通い、卒業してからも植田屋を手伝っていた。

私も六年生の一学期から植田屋へやられ、礎小学校に通った。
小さな学校から急に大きな、生徒の多い学校に、野浦では優等生でも、礎小学校ではただ面食らってだんだん成績も下がり、冬休み姉と親元に帰った時以来、頑として新潟に戻らなく、姉だけ帰って行った。

三学期から西三川小学校六年生に編入。
教頭先生が一段高いところへ私を上げて、今日から校長先生のお嬢さんが当小学校で学んでくれる事になりました。
大変光栄の事です。と全校生徒に紹介した。
お蔭で先生達の見ていないところでいじめられた。(わざとボールを投げつけたり、高い所から押して落とされたり)
それ以来、教頭先生の事は後々まで嫌いになった。

その時、父は西三川の校長として海岸べりにある電気会社の散宿所の一部を借りて住んでいた。
この散宿所に高野さんと言ってコロコロとして朗らかなお人好しの人が下に住み、私達は二階に住んでいた。
隣は大ぼう網の番屋があり、沖から舟が帰って来ると真っ先にイキの良い魚を持って来てくれ、野菜だけ自分で畑を借りて作っていたが、殆んど頂き物で間に合っていた。

西三川という所は果物は佐渡一美味しい所で、桃、西瓜、ブドウと佐々木農園へいつも行って買ったり、貰ったりと、野浦と比べ物にならない程優雅に暮らしていた。

三ヶ月後、無事、県立河原田高女に合格して寄宿舎生活が始まった。
先に下宿生活をして中学校に通っていた明夫とある日、町中でバッタリ会い、無理矢理ウタ写真館に連れて行かれ、一緒に写真を撮った。
当時男女が一緒に歩いているのを見つかったら休学か退学の時代だったので私は怖くて写真館を出る時もビクビクだった。

【つづく】次は寄宿舎生活です


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