我が家の軌跡(奇跡)【23】
橋本先生になってから、明美は見違えるほどの生き生きとした子になった。
橋本先生は分け隔てなく、どんな子でもその子いいところを引き出して褒めてくれた。
毎週土曜日の午後は“サボテン教室”と言って希望者だけ、お弁当を持って来て、橋本先生にお習字を習うのだ。
殆んどの生徒が参加してたと思う。(先生の髭面から、サボテンとなった)
そして習字大会で銀賞を取ったとき、みんなの前で「一発勝負に強い女(おなご)だな」と褒めてくれた。
凄い自信に繋がった。
橋本先生は体育の先生。
体育の授業では、平均台、ハードル、縄跳びは「中川、お手本やってくれ。」と言われた。
明美は鉄棒、水泳、球技はダメだが、陸上は得意だ。
いじめる子はいなくなった。
家庭訪問の時だったか、先生が母に遠足、運動会、サボテン教室で持って行くお弁当を、彩りが綺麗で何時も美味しそうです。と褒めて下さった。
母にとっては大変な喜びだった。
お調子者の母は、先生の分まで作った事もあり、大変美味しかったですと言われた。
お陰様で、明美が嫁に行くまでずっと母の手作り弁当は続いた。
橋本先生は、母の苦労をもねぎらってくれたのだ。
【つづく】
2018年5月23日 (水)
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