我が家の軌跡(奇跡)【42】
トビーはもう成犬だった。でもまだ若く、1歳位だったと思う。
立派な血統書付。本来なら生まれてからずっとお座敷で飼われるべきだったのに。
外をフラフラ歩き、野良犬のようだったから、長い毛は毛玉になり、臭かった。
我が家の犬になると直ぐ、シャンプーしてあげた。父のベッドに乗せて、みんなで乾かした。
そしてトビーは座敷犬になった。
大きくて15キロはあったけど、ぬいぐるみみたい。大人しく、頭の良い仔。
父は可愛がり、気分の悪い時以外は傍においた。
時には長い毛をグルグル巻きにして角を作ったり、子供の日には、兜を折って被せたりした。
トビーは何故か太った人にだけ吠えた。
理由は直ぐに推察出来た。
トビーの飼い主が太った人だったし、奥さんは妊娠中でお腹が大きかったからだ。と思う。
それ以外は滅多に吠えない。可愛くて我が家の癒し犬となった。
つづく
2018年6月12日 (火)
カテゴリー: こばやし明美先生ブログ