こばやしブログ一覧
母は箱入り娘【5】
2018年7月5日 (木)
カテゴリー: こばやし明美先生ブログ
月布施のお祭りの時はいつも迎えの人が来て、正体もなくなった父を青年部の人二、三人がやっとの思いで連れて来る。こんな事が年に二回、三回あった。 深浦で一緒だった小路先生が後を追うように転勤になって来た。 月布施は野浦の隣の部落だったので、よく母と共に小路先生宅(助五郎)へ行った。 野浦と月布施の間に一寸した岬があり、その真下の海辺に流れて来た板を使っ …
母は箱入り娘【4】
2018年7月4日 (水)
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田舎では、おやつにお菓子が食べられるのは我が家だけで、友達は皆、自家製で、栗を炒った物や、お味噌を作る為に煮た大豆を糸に通し干した物、さつま芋を蒸かして薄く切って干した物、干し柿、等々だった。それらを食べてみたくて袂にお菓子を忍ばせて交換して食べたものだ。(干し栗や、干し柿は大人になってからも好きで、佐渡から定期的に送って貰って楽しんでいた。) 柿が好きで …
母は箱入り娘【3】
2018年7月3日 (火)
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私が小学校一年生に入る時、父は水津村野浦小学校長として転任、一家は移住した。 ここも学校は高台にあり、部落は海岸に沿って建っており、山形五衞門と言う庄屋の屋敷内の一部が校長住宅になっていた。深浦に住んでいた時は暗くなると電気はなく、ランプ生活だったが、野浦へ転勤と決まった時、母はランプ生活から解放される事を期待して、電球数個を小木町で買い求め、勇んで引っ越した …
母は箱入り娘【2】
2018年7月2日 (月)
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日中は姉は学校へ行っているので、退屈して外の運動場で一人土いじりして遊んでいると、休み時間に生徒も外へでて遊んでいる。
その中の一人で、いつも汚れた着物の前を肌蹴た嫌われ者の男の子。二年生か三年生位だったかが私の所に来て一緒に遊ぼうとすると、すぐ他の男の子が大きな声で「ヨシが和子さんに触ろうとしている!」と先生に告げ口しに行き引き離され、つまらなくなる。そんな …
母は箱入り娘【1】
2018年7月1日 (日)
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母、和子手記から昭和の田舎の情景とともに、母の可愛らしい生い立ちが目に浮かぶようで、病人を抱えて逞しく生きた母からは想像も出来ない、うらやましい位の少女時代。母は箱入り娘のお嬢様育ちだった。
和子、昭和2年2月26日 佐渡郡金沢村泉の北見角兵衛方離れに生まれる。
父伍蔵は泉小学校の教頭。母サクは何度も流産を繰り返した揚句の妊娠だったので、今度こそはと畑野 …
2018年7月6日 (金)
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