こばやしブログ一覧
母は箱入り娘【4】
2018年7月4日 (水)
カテゴリー: こばやし明美先生ブログ
田舎では、おやつにお菓子が食べられるのは我が家だけで、友達は皆、自家製で、栗を炒った物や、お味噌を作る為に煮た大豆を糸に通し干した物、さつま芋を蒸かして薄く切って干した物、干し柿、等々だった。それらを食べてみたくて袂にお菓子を忍ばせて交換して食べたものだ。(干し栗や、干し柿は大人になってからも好きで、佐渡から定期的に送って貰って楽しんでいた。) 柿が好きで …
母は箱入り娘【3】
2018年7月3日 (火)
カテゴリー: こばやし明美先生ブログ
私が小学校一年生に入る時、父は水津村野浦小学校長として転任、一家は移住した。 ここも学校は高台にあり、部落は海岸に沿って建っており、山形五衞門と言う庄屋の屋敷内の一部が校長住宅になっていた。深浦に住んでいた時は暗くなると電気はなく、ランプ生活だったが、野浦へ転勤と決まった時、母はランプ生活から解放される事を期待して、電球数個を小木町で買い求め、勇んで引っ越した …
母は箱入り娘【2】
2018年7月2日 (月)
カテゴリー: こばやし明美先生ブログ
日中は姉は学校へ行っているので、退屈して外の運動場で一人土いじりして遊んでいると、休み時間に生徒も外へでて遊んでいる。 その中の一人で、いつも汚れた着物の前を肌蹴た嫌われ者の男の子。二年生か三年生位だったかが私の所に来て一緒に遊ぼうとすると、すぐ他の男の子が大きな声で「ヨシが和子さんに触ろうとしている!」と先生に告げ口しに行き引き離され、つまらなくなる。そんな …
母は箱入り娘【1】
2018年7月1日 (日)
カテゴリー: こばやし明美先生ブログ
母、和子手記から昭和の田舎の情景とともに、母の可愛らしい生い立ちが目に浮かぶようで、病人を抱えて逞しく生きた母からは想像も出来ない、うらやましい位の少女時代。母は箱入り娘のお嬢様育ちだった。 和子、昭和2年2月26日 佐渡郡金沢村泉の北見角兵衛方離れに生まれる。 父伍蔵は泉小学校の教頭。母サクは何度も流産を繰り返した揚句の妊娠だったので、今度こそはと畑野 …
我が家の軌跡(奇跡)50
2018年6月20日 (水)
カテゴリー: こばやし明美先生ブログ
5年生の夏。 夏休み期間、家族旅行が出来ない中川家。 両親は、考えた。 俺の中学の時の同級生が佐渡病院の歯科をやっているから、そこで明美を一か月間修行させようと。父の一言。 病院の寮みたいな所。ここで寝泊まりすればいい。と与えられたテレビもない、ガランとした広い畳敷きの部屋。一か月の研修期間、ひとりぼっち。 診療中は、興味津々、父と …
我が家の軌跡(奇跡)49
2018年6月19日 (火)
カテゴリー: こばやし明美先生ブログ
二十歳になったら生まれ故郷を見せてあげる。と言う約束があった。 福岡まで、母が案内人。 父と、妹を残して行くのだからなかなか難しい。 泊まり込みで来てくれるヘルパーさんをお願いしなくては。 でも我儘な父が、耐えられるのだろうか。思案している内に二十歳を過ぎた。 実現する日は来るのだろうか。 つづく
我が家の軌跡(奇跡)48
2018年6月18日 (月)
カテゴリー: こばやし明美先生ブログ
解剖実習は異様な雰囲気の中始まった。 何しろ、鶴見女子大学歯学部は3期生まで、学生全員が女性。 女は凄まじい。髪を振り乱し、遺体に触れているのも構わず。 一心不乱にその日のノルマを果たす。 脱落者なんて一人もいない。 一番感動したのは、耳の中にある三つの小さな骨。 ツチ骨・アブミ骨、キヌタ骨が真っ白で、小さいながらも、 …
我が家の軌跡 (奇跡)【47】
2018年6月17日 (日)
カテゴリー: こばやし明美先生ブログ
二年生の夏。また、友達数人と、夏休みに北海道に行こうと計画を立てた。 以前から、明美は月に一度、ひどい目に合っていた。腹痛、あぶら汗、下痢。 何度、通学途中、駅の休憩室(駅員さんの)にお世話になったことか。 学校から帰ると真っ直ぐ部屋へ行き。ベットに横になっていると、父が母に″明美はどうした”と聞く。 母は生理痛と伝えると。゛気の毒にのう …
2018年7月5日 (木)
カテゴリー: こばやし明美先生ブログ